戦後ブルックスブラザーズの支配権の変遷について触れてみます。

大恐慌時代から第二次世界大戦にかけて、ブルックスブラザーズを経営してきた、ウィンスロップ・ホリー・ブルックスが、ブルックス家出身最後の社長でした。
1946年 ワシントンD.C.に拠点を置く、高級百貨店チェーン、ジュリアス・ガーフィンケル&カンパニー(Julius Garfinckel & Co.)に、ブルックスブラザーズは売却されます。

以降36年間、ブルックス ブラザーズは、ガーフィンケル・ブルックスブラザーズ・ミラー&ローズ社(Garfinckel, Brooks Brothers, Miller & Rhoads, Inc.)傘下となります。
ミラー&ローズとは、ガーフィンケルが吸収した百貨店チェーン。
ブルックスブラザーズの名も残っているのは、創業家が株式の一部保有しつづけたからではないでしょうか。
ちなみに、会社売却後も、ウィンスロップ・ブルックスをはじめとするブルックス家の数人が、会社の指導的ポジションに残ったようです。

1946年4月 ブルックス ブラザーズ社の様子
新社長に就任した、ジョン・C・ウッド(John Clark Wood)

左が、ジョン・C・ウッドでしょう。間違いない。(笑)

1955年 ロンドン滞在時のジョン・C・ウッド(左)
隣にいる人は運転手でなく、アメリカ・エアラインズの社長。

「Men's Wear」誌 1967年6月号より
1967年、ジョン・C・ウッドは、21年間務めた社長の座を退く際、英新聞、The Timesの取材で、会社のために何をしたか?と尋ねられ、「I made it Brooksier」と、シンプルに答えたそうです。
1946年に彼が社長に就任した時、ブルックスブラザーズは4店舗、年間売上475万ドルでしたが、引退する時点で、年間売上は3,500万ドルになっていました。
彼はこの後も、1969年に亡くなるまで、ブルックスブラザーズ取締役会の名誉会長でした。
1981年9月 アライド・ストアーズ・コーポレーション(Allied Stores Corporation)が、ガーフィンケルの持株をすべて購入し、買収。


1981年当時の社長、フランク・T・ライリー(Frank T. Riley)
1986年12月 カナダの不動産業者であるロバート・カンポー(Robert Campeau)が、レバレッジ金融取引により、アライド・ストアーズを買収。
しかし、別の百貨店チェーン買収の資金が不足していたので、16ヶ月後にブルックスブラザーズを売却。

ロバート・カンポー(右)
1988年4月 イギリスの百貨店チェーン、マークス&スペンサー(Marks & Spencer)の傘下に。

1991年当時の社長、ウィリアム・ロバティ(William Roberti)
2001年3月 リテール・ブランド・アライアンス社(Retail Brand Alliance, Inc.)が買収。

新社長となった、クラウディオ・デル・ベッキオ(Claudio Del Vecchio)
以上、それぞれの時代に、ブルックスブラザーズでは、どんなものが販売されたのか、各自検証してみて下さい。(笑)