ブルックスブラザーズの現行のスーツにはいくつかのモデルありますが、その中に「フィッツジェラルド(Fitzgerald)」というモデルがあります。
2007年に加わったモデルですが、名前の由来は、ジョン・F・ケネディ大統領のミドルネーム=フィッツジェラルドからです。

上衣はフロント2釦、細めのラペル、高めのアームホール、スリムなライン、センターベントなのが特徴で、スラックスはプレーンフロントで細身。
このモデルは現在、ブルックスブラザーズの主力になりつつあるようですが、実は「No.2モデル」という、昔からあるモデルです。

1961年の広告

1962年の広告
「ナンバー・ワン・サック・スーツ」の発表後、50年以上も経った1961年、ブルックスブラザーズは2年間の試作の末に、2個ボタン型スーツ「No.2モデル」を発売しました。
それは、新就任の大統領ジョン・F・ケネディが、シャツの胸がより広くみえ、着用者の胸幅をより大きくみせる2個ボタンを特に好んだという事実がきっかけだったようです。

「GENERATIONS of STYLE」によれば「No.2モデル」は、
『スポーツジムに通い慣れているふりをしたい男たちのためにつくられたものである』
とのこと。(笑)
この時の新しい2個ボタンスーツはベストつきで、エスカイア誌1962年2月号では、
『この型は、ナチュラル・ショルダー、ノッチド・ラペル、フラップ・ポケット、センター・ベントというブルックスブラザーズ好みの本来の型とは、それほど変わってない。しかし、衿の返りがより長くなり、ウエストの絞りが僅かに加えられ、ブルックスブラザーズの従来の型よりも、がっちりし、さっぱりした感じになっている』
と解説しております。
しかし当時、前ボタン1個を外したことに、相当ショックを受けた人々が存在したことは、事実のようです。(笑)