かつて「サウンドボーイ」誌に掲載されていた「伊藤流アンプ指南」は、私にとって衝撃でありました。
真空管アンプ作りの神様である伊藤喜多男先生が、突如(笑)、青少年オーディオ愛好家向けの新雑誌に登場し、その技術の一端を、惜しげもなく披露されていたからであります。
尤も、「どうしても書け」といわれて止むを得ず、と冒頭から書き出されてました。(笑)
そして、「見たこともない、食ったこともないものは覚えようもなし、教えようなどある筈がありません」と、戦後民主主義の学校教育を受けて来た者に、いきなり足払いを食らわすような調子で、文章が綴られていきました。(笑)



先生の表情も、面白かったです。(笑)



完成したアンプを、ジーメンス・ワイドアングルで試聴している後姿で、「伊藤流アンプ指南」の「心得編」は終わります。
そして、「誰でも作れそうにないアンプの、やさしい作り方」なる「奥義編」へと続くのでした。(笑)

ウェストレックス・ロンドン2192Fに範をとった回路。

こんな美しい配線技術があるなんて、知りませんでした。
この記事を読んで以来、伊藤先生が作ったEL34ppアンプが、ず〜っと欲しかったわけです。(笑)
そして、何十年後かになる数年前、やっと念願がかなって、「サウンドボーイ」誌の製作記事をもとにして作られた方から、この伊藤式アンプを譲っていただきました。


CR類も、Allen-Bradley、DALE、SPRAGE等、良い部品を使っています。
配線技術も上手いです。私には無理です。(苦笑)