
中牟田久敬著「トラディショナル・ファッション」より
ブルックスブラザーズでは、かつてグレードにより「Own Make」「346」「BROOKSGATE」の三つのブランドがありました。
要するに、客の年齢、収入、社会的地位に応じて、三つのラインを用意していたわけです。

このうち「BROOKSGATE」(ブルックスゲイト)は、20代から30代前半のヤング・エグゼクティブをねらったモデルであり、スーツ、ブレザージャケット、スラックス他、トータル・コーディネイトを提案する商品構成でした。
「BROOKSGATE」の「GATE」は、「会社への入口」を示唆する名称で、同時にBrooks Brothersの世界への「入り口」という意味合いもあったようです。

1978年広告より

1979年に制作された BROOKSGATE 専用カタログ
余談ですが、日本国内において「BROOKSGATE」の商標を巡って争いがあったようですよ。
申立人はBrooks Brothers Inc.で、商標を取り消す羽目になった側は株式会社ダイエーです。
恐れ多くもブルックスブラザーズのブランド名です。それをパクるとは、ダイエーさん、ええ根性してしてますね。(笑)

こりゃ~アカンやろ。
さて、「BROOKSGATE」は1975年に新たに誕生したラインなのですが、それ以前には「UNIVERSITY SHOP」(ユニバーシティ・ショップ)というラインがありました。

かつての「UNIVERSITY SHOP」が「BROOKSGATE」に移行したのだと理解して良いと思います。
「GENERATIONS of STYLE」によると、1962年に社会人1年生を対象にした「UNIVERSITY SHOP」をオープンしたとのことですが、商品ラインの展開は恐らくそれ以前、1950年代後半頃から既にあったと思われます。

1958年広告より

1958年カタログより

1962年カタログより