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Gerald Murphy
たまに調べものをしていると、そう言えば、山口淳さんが何処かで書いてたな、となる時があります。

ジェラルド・マーフィー(Gerald Murphy)も、その一つです。

「LIPSETT BOOK : A to Z for BON VOYAGE―旅と海をめぐる、26文字の冒険」(2007年)にも、「ブルトン・マリン」というタイトルで、「バスクシャツの謎とジェラルド・マーフィーの伝説」について、色々書かれていました。

私がジェラルド・マーフィーに興味を持ち出した理由は、F・スコット・フィッツジェラルドからの流れでということもあるのですが、やはり、1920年代の彼のインスピレーションが、今日的な意味でのリゾート・ウェアの原点になったと言われているからだと思います。
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1915年 サラ&ジェラルド・マーフィー夫妻
(NY郊外ロングアイランド地区イーストハンプトンのビーチにて)
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1923年 左よりジェラルド・マーフィー、ジニー・カーペンター、コール・ポーター、サラ・マーフィー(ヴェニスにて)
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1926年 サラ&ジェラルド・マーフィー夫妻
(南フランスのコートダジュール・アンティーブ岬にて)

これは有名な写真ですね。

1923年撮影と書かれてたりもしますが、1926年としました。

ブルトン・マリン(ボートネックの横縞シャツ。所謂「バスク・シャツ」のこと)を純白の麻ショーツに組み合せ、頭には鈍黄色(にぶきいろ)のモスリン・ターバンを巻き、カバナ・レッド(赤みの強いレンガ色系の赤)のカンバス・サッシュと同色のエスパドリーユ、そしてブラック・バンブーのウォーキング・ステッキ、というスタイルです。

ボートネックの横縞シャツとエスパドリーユは、彼がリヴィエラ海岸で1923年にお披露目したのをきっかけに、1930年代から40年代にかけて、欧米のリゾート地で大流行することとなります。
by yabushun | 2013-06-29 12:20 | CLOTHING | Comments(11)
Brooks English その8 後編
さて、Brooks English(Church製)ホワイト・バックスを、あらためて見てみます。
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このカタチのホワイト・バックス、ありそうで、中々ありません。

そして、細かく見れば見るほど、実に味がある靴なんです。
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例えば、ウェルト側面が黒く塗られていますが、この意匠もブルックスブラザーズ独特のもので、眺める度に感心させられます。

個人的には、最もブルクシーな靴の一つ、と思っております。
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外羽根式のWALK OVERなんかを見慣れた人には、「何やコレ?ズック(※)みたいやな」と思った人もいるかも知れません。

(※ゴム底の布製運動靴のコト)

でも、それって、ええとこ突いているのですが、実は、見聞が狭いコトを、告白しているようなもんなんです。(笑)

ホワイト・バックスキン・オックスフォード本来の、品の良さと優雅さを色濃くとどめていて、スポーティーなんだけど、クラシックな雰囲気が漂っている。そう思いませんか?

こういうセンスが、ブルックスブラザーズであり、そして、こういうものを長年に渡り販売しつづけて来たのが、ブルックスブラザーズだったんですよ。
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ローン・テニス用シューズ起源説を想起させるアウトソール(笑)
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ソールは、生ゴムみたいな素材で出来ていて、経年変化した所は、古い輪ゴムみたいにベトベトしています。(苦笑)

しかし、そもそもアッパー自体、汚れやすい白ですし、ボーター・ハットがそうであったように、シーズン毎に新調して履かれるべき靴だったのでしょうね。贅沢な話なんですが。
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このモデル、ディスコンになって久しいのですが、新「華麗なるギャツビー」の上映に合わせて、時代背景もピッタリなんですから、出来れば復活させて欲しかったですね。

かつて「比類なきペースセッター」と言われたブルックスブラザーズの、このホワイト・バックスを眺めていると、どういうコーディネートをしようかという前に、まず、どういう履かれ方をされて来たのかと、思いを巡らしてしまいます。
by yabushun | 2013-06-28 07:17 | SHOES | Comments(0)
Brooks English その8 中編
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これは、雑誌「2nd」2010年2月号で紹介されていた、鈴木晴生さんの私物です。

私は平素、ファッション雑誌は買わないのですが、鈴木晴生さんが出ていたら、必ず買っています。

だから、無断転載、許して下さい。(笑)



思わず、「参りました!」「こんな私で良ければ、好きにして下さい!」となる写真ですね。(笑)

記事を補足させてもらいますと・・・

上段シューツリーズ、左のスリット入った方が、Miller Treeing Machine Co.製、だと思います。

以前「'60sブルックスブラザーズ・アイテム その3」でも、同社のシューツリーズを取り上げましたが、それとは若干仕様が異なっていますね。

同じく上段右の、金具付きの方が、D.Mackay製、だと思います。

どうして、そんなコト分かるのかって?

そんなコト調べるのが、私の趣味なんですよ。(笑)

下段の靴は、左から二足が、Alden製で、そして右のホワイト・バックスが、Church製 Brooks English、ですね。



以上、すべて今では入手困難な、往年のブルックスブラザーズの品々なんですが、靴に関してはいずれもが、Timeless Classicsという趣がある、マスターピースだと思います。
by yabushun | 2013-06-21 08:25 | SHOES | Comments(0)
Brooks English その8 前編
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 ブルックスブラザーズ 1930年代のウインドウ・ディスプレイ
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       ブルックスブラザーズ 1939年の広告

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 ブルックスブラザーズ 1950年代のウインドウ・ディスプレイ
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     ブルックスブラザーズ 1966年のカタログより
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     ブルックスブラザーズ 1976年のカタログより
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今回取り上げるのは、「ホワイト・バックス(White Bucks)」です。

現在「ホワイト・バックス」は、ほとんどカーフのスエードで代用されていることが多いですが、本来は、バックス(Bucks)=バックスキン(Buckskin)という名の通り、白の雄鹿の革の銀面(表面)を削り起毛させた革でつくられた、カジュアルなオックスフォード(短靴)のことを指しました。



「ホワイト・バックス」が履かれ出したのは、1880年代のイギリスで、オックスフォード大学の学生がスポーツ観戦に好んで履いた白革短靴、俗に言う「オクソニアン・バックス(Oxonian Bucks)」がはじまり、と言われています。

1880年代と言えば、独仏戦争(1870年)でフランスが負け、流行の中心が産業革命の進むイギリスに移った時代であります。

本来はクリケット用のコンビの短靴がリゾート用に履かれ出し、また、ゴム底の布靴(現在のスニーカー)がスポーツ用に履かれ出したのも、この時期でもあります。



ところで、「ホワイト・バックス」に関しては、何つ~か(笑)、「アンツーカーソール」のものが多いですよね。

「アンツーカー」とは、テニスのクレーコート用の、レンガ(Brick)などを粉砕してつくられた赤褐色の土のことで、何となくテニスとの関連を想起させるのですが・・・

それを補完するわけではありませんが、「ホワイト・バックス」に関しては、もともとはローン・テニス用シューズだったという話も読んだことがあります。

1870年代のそれは、白い革のアッパーにレンガ色のラバー・ソールが特徴とのことでした。

・・・う〜ん、でも、ローン(芝生)コートとアンツーカー・コートでは、全然違いますよね。

ソールの通称名から起源を考えるのは、無理がありますか。(笑)
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   1894年 オックスフォード大学 ローン・テニスの風景
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         この画像は、オマケです。(笑)


話を戻しますと、やがて「ホワイト・バックス」は、上流階級紳士の船遊びや、海浜用のスポーツ靴としても履かれ出し、1910年代にも流行しています。

そしてそれは、海を渡ってアメリカにも伝播し、ヘミングウェーやフィッツジェラルドの時代には、洒落者たちにより、麻のスーツやホワイトフランネルのパンツとコーディネートされ、リゾートライフで活躍します。

また、1920年代から50年代にかけて、アメリカのアイビー・リーグの学生間にも広まっていったのは、ご存知の通りです。
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     ブルックスブラザーズ 1915年のカタログより
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白い鹿革の靴とツー・トーンの靴が、この時代のリゾート・ウェアとして一般的になっていたようです。
by yabushun | 2013-06-14 21:30 | SHOES | Comments(0)