ブログトップ
You ain't heard nothin' yet!
yabushun.exblog.jp
<   2010年 06月 ( 2 )   > この月の画像一覧
シアサッカー その2
「エスカイア版20世紀メンズ・ファッション百科事典」のなかで、1930年代のスーツに関し、以下のようなことが書いてありました。
c0214126_3583699.jpg
『南部では、最も涼しく最も安価な夏季用素材のひとつである綿織物のシアサッカーが最高に人気を保っていた。

当時ファッション改革者と認められていたプリンストン大学の学生は、これを20年代に着はじめていた。

北部の都市では、シアサッカーのしわだらけの外観がひとつの欠点とみられた。

ニューヨークやボストンのような都市に住む男たちが、あえてそれを着ようとするのは、それから10年後のことだった。

しかしニューヨーク、マディソン街のF・R・トリプラー社では、それが安いスーツであるのを誰もが知っているのを承知の上で、それを着ようとする頑固な男や前衛的な男性のために、シアサッカーのスーツをずっと扱いつづけた。』
c0214126_1727976.jpg
そう言えば「アラバマ物語」(62年)のなかで、グレゴリー・ペック扮するアティカス弁護士がシアサッカーの3Pを着てました。

ちょうど時代はアメリカが不況のドン底だった1932年。

主人公の弁護士はけっして裕福な設定ではないので、当時「最も安価な夏季用素材」のスーツ姿だったんだと納得。

余談になりますが、「アラバマ物語」の原作者である女流作家ハーパー・リーは、トルーマン・カポーティと幼なじみで、登場人物ディルは彼がモデルらしいですね。
by yabushun | 2010-06-01 17:31 | CLOTHING | Comments(0)
シアサッカー その1
夏の代表的な服地のひとつにシアサッカーがありますが、私はこの素材が大好きです。

この春、何となく気分で、シアサッカーでダブル前のスーツをつくったのですが、ちょっとウルサい方々にツッコまれるのを想定して、後から理論武装しました。(笑)
c0214126_23292535.jpg
エスカイア誌によると、30年代後半に盛夏の装いとして流行ったシアサッカー(格子柄)のスーツは、ダブル前だったんですよね。

c0214126_4215390.jpg
これは「GENERATIONS of STYLE」に載っているブルックスブラザーズ製です。

ハイ、これもダブルです。

余談ですが、昔のブルックスのダブルって、センター・ベントだったんですよね!

そういうワケで、ついでにシアサッカーについても、もうちょっと深めてみますか。(笑)

まずは「男の服飾辞典」堀洋一・監修には何と書かれているかといえば・・・



『シアサッカー Seersucker

夏の服地の一種。

縮れ縞柄綿布で、通常白と黒、白と青、白と赤など単調な配色の棒柄が特徴になっている。

登場は18世紀初頭で、原産地はインド。

最初は不規則な縮れを特徴とした無地の綿織物であったと伝えられているが、その後、ビクトリア時代も後半になって、ストライプ状にシボ(織物表面に縮れ)を走らせた一種の縞柄地が考案れ、これが今日的な意味におけるシアサッカー地の嚆矢(こうし)となった。

それは光沢のあるシルク素材で作られたものであり、そのオリジナルは19世紀の末葉、当時イギリスの植民地であったインドのカルカッタで、英人用の夏服として織られたものに端を発するという。

この織物独特の清涼感、麻素材にはない気品が受けないはずはない。

やがて、1934~5年頃、この服地の流行に目をつけたアメリカの素材メーカーが、さっそく絹を綿に置き換えた実用的・経済的シアサッカー地の大量生産に乗り出す。

以後今日に至る迄、オールコットンの、あるいはレーヨン混紡、ポリエステル混紡のシアサッカー地が広く人気を集めている。

ちなみに、シアサッカーの語源をたどれば、まずペルシャ語のミルクと砂糖を意味する「シーロシャカー」から始まり、これが転じて「しぼ」「縮れ」を意味するシールシャカーとなり、やがてインドにはいってシーアサカーなるヒンディ語になって、1722年、この語がその織物(インド産の縮れ綿布)ともども英語圏にはいったときにシアサッカーとなった。

従って正しくはシアサッカーでなく、シーアサッカーと発音する。』
by yabushun | 2010-06-01 04:32 | CLOTHING | Comments(0)