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大統領の陰謀
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1972年6月17日深夜。

ワシントンD.C.のウォーターゲート・ビル5階にある民主党オフィスに忍び込んだ5人組の男たちが、不法侵入の現行犯として逮捕される。

この事件の予備審問を傍聴したワシントン・ポスト紙の新人記者ボブ・ウッドワード(R・レッドフォード)は、その場に政府筋の弁護士がいること、そして侵入犯の1人が元CIA職員だったことに好奇心を掻き立てられた。

ベテラン記者カール・バーンスタイン(D・ホフマン)もまた、この事件に興味を持っていた。

2人は協力して事件を丹念に取材し、やがて、この事件が単なる刑事事件ではなく、リチャード・ニクソン大統領のすぐ近くにまでつながっていることを確信する。

だが、政府の壁は厚く、取材は思うように進まない。

極秘の情報源ディープ・スロートは、2人に「金を追え」と助言する。

2人はニクソン再選委員会の選挙資金に着目し、その流れを追及していくのだった・・・



76年公開の「大統領の陰謀」。

同年のアカデミー賞にて8部門にノミネートされ、4部門で受賞した名作です。

アクション・シーンは全くなく、淡々とした進行ながらも、驚くべき事実を積み重ねていく演出は、都会の闇の怖さを巧みに表現する映像と相まって、持続する緊張感とミステリーを解いていくような展開により、観る者の目を釘付けにしてくれます。
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本作品は、徹底的にフィクションを排除し、映画がどこまで現実を再現できるかを追求した実験映画とも言われています。

細部にわたり「本物」の記者たちが実際に使用していたものを借り受け、ワシントン・ポスト紙の編集局も、完全再現をしていたらしいです。

「本物」の編集主幹ベン・ブラッドリーがセットに訪れた際、脱いだコートを「いつもの場所」に置いたまま忘れて帰宅してしまった・・・というエピソードも残っております。

映画冒頭の、警察通報するウォーターゲート・ビルの警備員も、事件当時の「本物」の警備員なのです。

こうしたリアリズムに徹しながらも、有名な米国国会図書館での俯瞰ショットでは、膨大な資料の中から求める物を探し出すという気の遠くなる作業を、映像美表現で見事に描写してるところも、この映画の見所の一つでしょう。
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そして、何と言っても、主幹ブラッドリーを扮するジェイソン・ロバーズが良いです。

存在感が際立ってます。

政府関係から2人の記者の報道を厳しく抗議されたとき、「こう書くか」と、ササッと書いたメモには「We stand by our reporters.(我々は記事を支持する)」と。

思わずガッツポーズをしていまうほど熱くなる格好良いシーンであり、彼のような存在が、作品に申し分ない厚みを与えています。

撮影は、ゴッドファーザー3部作で有名な、ゴードン・ウィリス。

彼の計算された抜群のセンスも、作品を一瞬たりとも目が離せないものにしていると言えます。
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オープニングとエンディングの、力強いタイプライターの音は、「ペンは剣より強し」を意味すると思うのですが、「検察リーク」を垂れ流す日本の「ジャーナリスト」とよばれる職業の方々は、この映画を観たら、どう思うのでしょうか?
by yabushun | 2010-01-30 01:33 | CINEMA&DRAMA | Comments(0)
ウェット・シェービング その1
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髭剃りは昔から、T字カミソリを使う、ウェット・シェービングをやってます。

一応、ブラウンの電気カミソリも持っておりますが、やはり皮膚を痛めますので、ウェット・シェービングになってしまいます。

で、現在カミソリは、メルクールの両刃を愛用しております。

「大人のおもちゃ」のような、電動式ヘッドのついたカートリッジ式替刃のタイプより、昔ながらの両刃の方が良く剃れます。

替刃は、フェザーが一番切れるという方もいらっしゃいますが、シェービング・テクが未熟だと顔面血だらけになるらしく(笑)、よって、替刃もメルクールを使っております。

シェービング・クリームをシェービング・ブラシで泡立てる、昔ながらのシェービングをやってるわけですが、シェービング・ブラシに関しては一言。

少々値段は張りますが、アナグマの毛を使った良いものをオススメします。

泡立ちが違います。

アナグマの毛は一本一本が独立しており、毛がまとまることがなく、コシがある上に先が細く、毛先が自然に磨耗し、毛穴の中の汚れをかき出せる優れもので、5〜7年は使えます。

昔ながらのウェット・シェービングは、邪魔臭いだけだった髭剃りの時間を、充実した楽しい時間に変えてくれます。
by yabushun | 2010-01-23 21:18 | T0ILETRIES | Comments(0)
WE 555 レシーヴァー
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池田圭先生の巨大なウエスタン・エレクトリック(以下「WE」と記します)15Aホーンを鳴らしてたドライバー555について少々。

スピーカーの原点であり、現代においても他の追随を許さぬ性能を誇るWE 555は、1926年に開発・生産開始され、1927年から使用開始されました。

初期のものは銘板に「Western Electric 555W RECEVER」と記され、イリノイ州ホーソン工場で製造されていましたが、1929年にノース・カロライナ州バーリングトン工場に製造拠点が移管され、そのに時に末尾の「W」が廃止され「555 RECEIVER」となります。
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完成してから既に80年経っているユニットであり、伝説と迷信が混在するため、おいそれと手出しできない代物ですが、ちゃんと整備された個体で、正しい使い方をすれば、えも言われぬ音色を奏でてくれます。

圧等的な音の速さ、情報量の多さ、浸透力、実在感は、市販のパーマネント・マグネットのものとは次元が異なります。

ただ、555を高いレベルでバランスさせるには、その他の部分にもそれなりのモノを揃える必要があり、それ相応の覚悟がいります。覚悟が。
by yabushun | 2010-01-20 22:24 | AUDIO | Comments(0)
池田圭スタジオ その1
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10代の頃、偶然オーディオ雑誌で池田圭先生のスタジオの写真を見た時の衝撃は忘れられません。

この馬鹿デカいスピーカーは一体何なんだ!

コンクリート打ち放しの専用リスニング・ルームなんて、まるで実験室ではないか!

怪しい。余りにも怪しい。

以来、池田先生と、そのスタジオ装置の中核をなすウエスタン・エレクトリックを調べること、資料をあつめることが、私のオーディオ趣味のなかで重要な位置を占めるようになったのでした。

そんなわけで、憧れの池田スタジオに、一度でいいからお邪魔することが私の夢でした。
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by yabushun | 2010-01-13 23:15 | AUDIO | Comments(0)
ポロ・コート その1
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ポロ・コートとはその名の通り、元来、英国でポロ競技に使われ、選手たちが競技の合間に軽く羽織るためのコートのことでした。
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アメリカでは1910年にブルックス・ブラザーズによりタウン・ウェアとして初めて紹介されのですが、当時、このコートほどファッション界に衝撃を与え、広い年代層に影響を及ぼしたものはなかったと言われています。

幅広のアルスター・カラー、フレームド・パッチ&フラップ・ポケット、バック・ベルト、折り返し付きの袖口などの独特なデザインを特徴とする、ダブル・ブレストテッド6つ釦3掛けのコートで、素材にはキャメル・ヘアが用いられます。
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         「絵本アイビー図鑑」より


スポーティーにもドレッシーにも着ることができる魅力的なポロ・コートにふさわしい帽子は、昔からダーク・グリーンのチロリアン・ハットと言われております。

これにマフラー、手袋をあわせれば、おおっ!最強のスペクテーター・スタイルの完成だ!

少々お高くても良いです。買います。

ブルックス・ブラザーズはこの傑作定番を、ペナペナでなく肉厚な本格的なもので、是非復活をさせて欲しいです。
by yabushun | 2010-01-11 19:02 | OVERCOATS | Comments(2)
ゴッドファーザー
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TVで72年「ゴッドファーザー」を久々に観ました。

私の最も好きな映画の一本であり、言わずと知れた大傑作であります。

物語は、外の眩しい陽射しをブラインドで遮った暗い書斎で、タキシードのラペルに赤い薔薇をさしたドン・ビトー・コルレオーネが、訪ねてきた葬儀屋の嘆願に耳を傾けているところからはじまります。

ゴッドファーザーとはどんな存在なのかを象徴する見事な、そしてゾクゾクして来るオープニング・シーンであり、何度観てもドン・コルレオーネ役のマーロン・ブランドの圧倒的存在感に唸らされます。
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映画自体、時代考証をふまえ衣装も凝っており、何と言ってもイタリア系マフィアの物語ですから伊達男が沢山出てきます。

麻薬の元締めソロッツォ(アル・レッティエリ)が仕事の話を持ちかけてきた時のドン・コルレオーネの、ヘリンボーン・スーツにオリーブ色のシャツとエンジのタイの組み合わせなんか、凄く洒落てるな〜と思いました。
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本当は親から別の道、「表」社会のエリートになることを期待されていた三男マイケル(アル・パチーノ)は、キャンディー・ストライプのBDシャツにストライプ・タイ、そして三つボタン段返りのジャケットというアイビー・スタイルです。

彼はエリートの象徴とも言えるそのアイビー・スタイルのまま、下町のイタリアン・レストランで悪徳警部とソロッツォを殺害し、マフィアという「裏」社会に身を投じていくわけですね。
by yabushun | 2010-01-05 16:02 | CINEMA&DRAMA | Comments(2)
トレンチ・コート
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有名な話ですが、トレンチコートは第一次大戦中の際、イギリス陸軍の塹壕(トレンチ)戦用に開発・採用されたものです。

平時のファッションとして一般への広がるようになってからも、銃や双眼鏡をさげるためのものだったエポーレット(肩章)をはじめ、雨や風を防ぐストーム・フラップ、あごをおおうためのチン・ストラップ、さらには本来は水筒や手榴弾などを吊るすべく付けられたDの字形の金環など、軍服としての名残を数多く残しております。

実用性が高く、かつ外観的にも機能美に優れ、数々の俳優が映画の中で着用したことで人気は不動なものとなり、今日に至っております。
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トレンチと言えば、やはり「カサブランカ」(1942年)のハンフリー・ボガートです。

背も高くなく、決して二枚目と言えない彼の、迫力のあるトレンチ姿の格好良さは絶品です。

ところで、彼が映画で着ているトレンチは、アクアスキュータム社製というのが通説ですが、ケン青木氏によれば、本当はクレスト・フェーラスというイギリス製のもののようです。

上の写真をじぃ〜と視ると、確かにトレンチコートにしては、セットイン・スリーブだったり、襟などのデザインもかなり違うようですね。

参考までに下の写真は、アクアスキュータム製を着ているボギーです。
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     NICK FOULKES「THE TRENCH BOOK」より


トレンチコートの着丈ですが、メンズですと、本来のものは膝下から5~15センチ位、地面からだと30センチくらいと結構長めです。

着る人の体型や時代によって、ベストな位置は微妙に変化するとは思われますが、3/4丈に近い短さのものは邪道と考えることにしましょう。(笑)

シルエット的には、上部が比較的タイトで、ベルトがぎゅっと絞って結ばれ、ベルトから下がかなり強烈なAラインになる、と格好良いですね。

トレンチコートを着こなすには、独特のデザインが持つアクの強さ、貫禄に負けないことが必要です。

そして、最終的には、背中で哀愁を漂わせなければなりません。(笑)

ウディ・アレンの「ボギー!俺も男だ」(1972年)ではありませんが、いつか私もトレンチコートが似合う男になりたいものです。
by yabushun | 2010-01-01 06:18 | OVERCOATS | Comments(0)