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カテゴリ:BICYCLE( 4 )
アームストロング ツール7連覇剥奪(2)
さて、今回のランス・アームストロングのドーピング・スキャンダル、タイトル剥奪に関して、この期に及んでアームストロングの潔白を信じている人はいないと思うが(笑)、未だに彼に同情的な人はいるようだ。

アームストロングの活躍は、多くの人の心に残り、ガン患者など、多くの人々がその活躍に励まされた事実は変わらないし、記録は抹消されようとも、人々の記憶からは抹消することが出来ないだろう・・・といった具合に。

しかし私は、そんな少年少女合唱団のような「純真さ」に、薄ら寒さをおぼえる。



今回の一連の流れに至る発端は、U.S.Postal の選手であったフロイド・ランディス(2006年ツール総合優勝剥奪)が、チームに所属していた期間、自分とランス・アームストロングがドーピングしていたと告白したことだった。

ランディスの証言内容を読みもしないで、眉唾と片付ける人がいるが、私は基本的に真実だと思ったし、あらためてアームストロングのいびつさ知り、気分が悪くなった。
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          フロイド・ランディス

もし、ランディスの証言が事実であるなら、U.S.Postal(アメリカ合衆国郵便公社)は政府機関のため、不正行為に税金が利用された事となり、それは見過ごせないと、まずFDA(連邦食品医薬局)が調査を開始したわけである。



アームストロングへ包囲網が縮まるにつれ、彼個人が私腹を肥やしてきた事実も、明るみに出て来た。

例えば、チャリティ・イベントでの寄付のピンハネ(ランス・ジーンズへの振込)も、その一つである。

また、アームストロングのタイトル剥奪と永久追放処分認定したUCI(国際自転車競技連合)や、スポンサー企業だったナイキも、アームストロング等と共謀して、ドーピング隠蔽工作を行っていたのではないかと取り沙汰されている。

最終的には、組織的ドーピング・スキャンダルというの枠には収まらず、人々の善意にもつけ込んだ、アームストロングとその周辺の、錬金術の全貌が明らかにされることを期待する人もいるようだが、私は、アームストロングの切り捨てで幕引きされると思う。

いずれにせよ、チーム監督のヨハン・ブリュイネールやアームストロング等が見据えていたことは、スポーツ競技の先にあった、どでかいビジネスだったのは確かなようだ。



以上の文脈を踏まえた上で、今一度、「ランス名言集」などを読みながら(笑)、今回のドーピング・スキャンダルを捉え返してみると、ランス・アームストロングという男の不敵さ、度し難さが見えて来る。

ツールに初勝利する前の1996年、ガンと診断され入院した時、医者にドーピングをしていたと認めた話すらあるのである。
by yabushun | 2012-10-25 23:26 | BICYCLE | Comments(0)
アームストロング ツール7連覇剥奪 (1)
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          ランス・アームストロング

10月22日、UCI(国際自転車競技連合)が記者会見を開き、USADA(アメリカアンチドーピング機構)がランス・アームストロングに対して下したタイトル剥奪と永久追放処分を認めると発表した。

これにより、1998年8月1日以降のアームストロングの成績は、全て抹消。

1999年から2005年までの7年連続ツール総合優勝と、2009年総合3位のタイトルが剥奪される。

ツール主催者ASOは、1999年から2005年のツールに関して、総合2位の選手の繰り上げ優勝は認めず、優勝者不在とする見解を示している。



今年6月29日、USADA(アメリカアンチドーピング機構)が、ランス・アームストロングをドーピング違反容疑で正式に告発した。

アームストロングを中心としたU.S.Postal チームのドーピング疑惑は、率直に言わせてもらえば、昔から色々あった。

近年では、元チームメイトのフロイド・ランディスやタイラー・ハミルトン(いずれもドーピング違反確定者)らにより、アームストロングに不利な証言が続いていたが、今年2月にFDA(連邦食品医薬局)が「証拠とするには不十分」として、捜査の打ち切りを宣言、収束した・・・はずだった。

しかし、法廷闘争は再燃した。

USADAは、2009年と2010年のアームストロングの血液サンプルを収集した結果、「エリスロポエチン(EPO)か輸血による血液ドーピングを疑うに足る分析結果が得られた」として、訴えを起こしたのだ。

ちなみに、ツール7連覇中を含め、アームストロングのサンプルから、禁止薬物陽性反応が認められたことは、一度もない。

何で今更?と思ったが、すぐに、これは深刻な展開になりそうだな、と直感した。



アームストロングはUSADAの告発に反発し、米連邦地裁に告発取り下げを申し立てたが、7月9日棄却される。

7月10日には、USADAは、アームストロングの元チーム関係者3人に対して、自転車ロードレース競技からの永久追放処分を下した。

そして、アームストロングは、棄却された判決への異議申立の期限直前の、8月23日、意義を申し立るのをやめると発表。

声明の中で彼は、USADAによる調査は「違法な魔女狩りだ」と批判し、無実を主張して争う代わりに「この馬鹿げた騒動から手を引く」と述べた。



大いなる疑問は、これまで一貫して無実を主張し続けてきたアームストロングが、何故、戦いを諦めたのか?である。

それは、彼が最も信頼を置くチームメイトだったジョージ・ヒンカピーが、USADAによる聴取でアームストロングの薬物使用を証言する=敵に回る、との見方が強まったからだった、と推測する者もいた。

ヒンカピーは、アームストロングのツール7連覇を支えた立役者的存在であり、自転車業界の誰もが信頼する誠実な人物でもあった。

そして噂通り、ヒンカピーは、10月10日、自身の過去のドーピング使用を告白した。

彼は声明で、「自転車ロードレースを愛し、競技に貢献してきた自負、そして競技から得たものの大きさを考えると、選手生活のある時期に禁止薬物を使ったことを認めるのはとても心苦しい」と述べた。

さらに「自分がプロになった初めの頃は選手の間に薬物使用が蔓延していた時期で、薬物なしで高いレベルで競い合うことは不可能だった」とも明かした。
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        ヒンカピーとアームストロング

ツール最多出場記録を更新して、今季現役を引退したヒンカピーは、ケジメをつけたかったのかも知れない。



今回のUCIによる処分認定を受け、ナイキ社、トレック社、アンハイザーブッシュ社、ジロ社に続いて、オークリー社もアームストロングのスポンサー契約を解除すると発表している。

オークリー社はアームストロングを、25年間も応援して来た企業だった。

まさに、終焉の時を象徴しているように思えた。
by yabushun | 2012-10-24 17:42 | BICYCLE | Comments(0)
ジロ・デ・イタリア2011
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ミラノでの個人TT(タイム・トライアル)が最終ステージとなったジロ・デ・イタリア。

結局、アルベルト・コンタドール(サクソバンク・サンガード)が、2008年以来3年ぶりにジロ制覇を成し遂げました。

ライバルをして「シビれる」と言わしめるその強さ、まさに「無敵の王者」としか言いようがないパフォーマンスでした。


シチリア島エトナ山を舞台にした第9ステージで大爆発、圧等的強さを見せつけ、ライバルたちに深刻な精神的ダメージを負わせながら、ステージ優勝とマリアローザ(個人総合成績1位の選手に与えられる薔薇色のリーダージャージ)を奪取。

以降、第16ステージでの山岳での個人TTでも優勝を果たし、それ以外にも自分が勝てる状況にいながら、旧チームメイトら仲間たちに優勝を譲ったステージもありました。

厳しい山岳レースでも、タイム差を守るだけのレースはせず、常にアタックをしかける攻めの走りにシビれました。

コンタドールはこれでジロは2勝目、グランツール制覇は通算6つ目を達成。

いろいろありますが、是非、次のツール・ド・フランスには出場して、98年パンターニ以来の、ジロ〜ツールの連勝「ダブル・ツール達成」を見せてもらいたいです。
by yabushun | 2011-05-30 20:00 | BICYCLE | Comments(9)
エル・ピストレロ(ガンマン)
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昨日のツール・ド・フランス第17ステージ(174km)は、超級トゥールマレー峠での山頂ゴールの大一番でしたが、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)が、アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)を抑え、優勝を果たしました。

見応えありました。

この日、満を持してアタックを仕掛けたアンディ(現在総合2位)についていけたのはコンタドール(現在総合1位=マイヨ・ジョーヌ)だけ。

それは、現在この二人こそ、ロードレース界最強のクライマーだからなのでしょう。

二人は最後までデッドヒートを繰り広げながら山頂まで上り詰め、最後はコンタドールが譲る形でアンディがステージ優勝。

歴史に残る熱いバトルでしたが、結果論的にはコンタドールの横綱相撲だったと思えます。

これで総合優勝の行方は、総合1位と2位のタイム差が8秒のまま、最後の個人タイム・トライアルで決着がつく形となったわけですが、事実上、コンタドールが昨年につづき通算3度目の総合優勝をほぼ手中に収めた感じですね。

2008年のツールには残念ながら出場できなかったコンタドールですが、同年のジロ・デ・イタリア(イタリア1周)とブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン1周)で優勝するという快挙を成し遂げており、これでもう誰から見ても、ミゲール・インデュライン、ランス・アームストロングとつづく、王者の系譜を継承したと言えましょう。

ランスの後は誰がロードレース界に君臨するのかと思っていましたが、それにしても凄い選手が現れて来るもんなんですねぇ~。
by yabushun | 2010-07-23 18:11 | BICYCLE | Comments(0)