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カテゴリ:AUDIO( 26 )
WE 8、9、10アンプ
1920年にアメリカでは世界最初のラジオ放送局(KDKA)が開局され、AM放送が始まります。

音の振動を電気信号に変換し増幅する増幅素子「真空管」が、リー・ド・フォレストの特許(1906年発明の3極真空管)のもと、Western Electric社(以下「WE」と記載)によって実用化され、それは可能となったのです。

一方で、この真空管を利用することにより、多くの人たちに情報を伝達するパブリック・アドレス(PA)も可能となり、そのためのアンプやスピーカーも開発されました。



極めて大規模なPAシステムが採用されたのは、1921年3月4日、首都ワシントンで開催された、第29代アメリカ合衆国大統領ウォーレン・ハーディングの就任式の時でした。

演説会には13万5千人が集まっています。
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1921年3月4日 アメリカ大統領就任式
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国議会議事堂前、植栽に見えるのは聴衆で、点線はPAカバーエリアを示しています。



同年11月11日(第1次大戦休戦結記念日)には、バージニア州アーリントンの無名戦士の墓での演説会に10万人が集まり、大統領の演説と音楽の演奏を聴きました。
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この模様は、電話回線を使って東西海岸都市に同時中継され、ニューヨークで3万6千人、サンフランシスコで1万6千人の聴衆が、屋内・屋外で耳を傾けることとなります。
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1921年11月11日 NY マディソン・スクエア・ガーデン
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会場に備え付けられたラウドスピーカー(バランスト・アーマチュア型レシーヴァーを使用)

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1921年11月11日 SF シビック・オーディトリウム



これらの大規模な演説会のPAシステム用は、全てWEの機材によるものでした。

使われたアンプは、8-A、9-A、10-A、および11-Aでした。
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上から、516-Bコントロール・パネル、B-10-Aアンプ、9-Aアンプ、8-Cアンプ、515-Aメーター・パネル。



このWE 8、9、10アンプは、1926年から運用が開始される「ヴァイタフォン」と名づけられたトーキー用サウンドシステムのアンプ部としても活躍することとなります。

つまり、開発前から考え抜かれて設計され、満を持して登場したアンプだったのです。

WE業務用アンプの原点でありながら、これ以降作られた如何なるアンプも比較にならないほど物量投入がされた、言わば、贅を尽くしたアンプでもありました。
by yabushun | 2015-12-30 00:45 | AUDIO | Comments(0)
WE 18A オートトランス
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Western Electric 18Aオートトランスをゲ~ット!

何が嬉しいかって申しますと、これをWE 7Aオートトランスの代わりに使うコトにより、遂にWE TA-7257と同じ回路のネットワークを作れるようになったのです。



劇場用装置として沢山使われたと言えども、ネットワークはスピーカーやアンプより故障頻度が低く、そんなに生産されなかったように思われます。

したがって、WEのTA-7257ネットワークぐらい古物になると、現存するタマ数が圧倒的に少なくなり、あっても希少性故に、信じ難い価格になっていて手が出せませんでした。



TA-7257ネットワークは簡単な回路と少ないパーツで構成されていますが、色々なノウハウが詰まっています。

その最たるものが、7Aオートトランスを使ったLC共振回路で中域用555レシーバーの低域をカット(300Hz 6dB/oct)するというユニークな手法です。

例えば、オートトランスを使わずにコンデンサーで低域カットするとなると、直列に約40μF以上が入ることになってしまい、そりゃ~もう、ボケボケの音になるコト必至です。

加えて、質的なコトを考えると、使えるオートトランスだったら何処のでも良いと言う訳にも、これが参りません。(笑)

だから「トランスが肝だ。このトランスさえ入手出来れば何とかなるぜ」と、何年も探し続けていたのです。




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WE 41、42、43アンプ・システムで、アンプ終段とスピーカーの間に入り、ヴォリュウム・コントロールとインピーダンス変換を行っていたWE 200-Aパネル(一番上の「OUTPUT CONTROL PANEL」と表記された部分)
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200-Aパネルの裏側。ここでも左端に見える7Aオートトランスによってインピーダンス整合が行われていました。




TA-7257ネットワークに組み込まれている7Aトランスはパーマロイ・コア(容量7W)なのですが、入手した18Aは純鉄コア(容量40W)で、7Aよりワイドレンジと言われているものです。

共にWEを代表する銘トランスであるコトに変わりありません。

ヴィンテージ・オーディオ店での相場はペアで60万円ぐらいなのですが、この度格安で入手するコトが出来ました。

まぁ、人生、たまにはこういうコトもありますわ。(笑)

「安く入手出来たコトをやたら強調してるが、じゃあ、一体幾らしたの?」

と妻から質問されちゃいましたが、こういう時は聞こえなかったフリ、これが基本的姿勢です。(笑)



ちなみに、WEには19Aというオートトランスもあり、これは18Aの3倍もの大きさで、重量15kg/個、容量200Wという化け物らしいです。

私は写真ですら見たコトがありません。
by yabushun | 2015-12-25 07:19 | AUDIO | Comments(0)
TA-7331A バッフル
「22-A ホーンの設置法」という記事の中で登場していただいた Western Electric TA-7331-A バッフル、そのレプリカを遂にゲットしました!

やったぜ!(笑)
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これに Jensen 13吋フィールドコイル型スピーカーを装着し、高域用に 22-Aホーン+555 をのっけると、なんちゃってですが、1930年代の WE ワイドレンジ・システム「#6 TYPE SYSTEM」に一歩近づけることになります。
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ちなみに、バッフルのみの重量は、約50kg/個。

何故こういうものが必要か理解出来ない、しようとしない周囲の者に対しては、「オレ、老後は音楽喫茶しようと思ってるんだ・・」と、心にも無いコト、適当に言っておきました。(笑)



当面の課題は、どうやってこの上に 22-Aホーンを設置するか、であります。

あと、ネットワークをどうするのか、という難題も。

難題って、何だい?(笑)

はい。WE TA-7257 ネットワークって、なかなか入手出来ないのであります。
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そもそも、7A オートトランスが簡単に手に入らないって、ご存知でしたか?

しかし、これが「肝」なんですよね。
by yabushun | 2015-06-05 23:38 | AUDIO | Comments(5)
Jensen フィールドコイル型スピーカー
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仕事場のオーディオ装置は、自宅で置けなくなったものや、実験中のものです。

実験中と申しましたが、オーディオはあくまで趣味なので、見る人が見ると、職場で遊んでいるような、非常にケシカラン風景になるかと思われます。(笑)



それはさておき、ここ最近、Jensen のフィールドコイル型13インチ・スピーカー M-10、M-20 が修理から返って来ましたので、これを裸で鳴らしております。

1930年代中期から使用された、アメリカの劇場用スピーカーです。

ちなみに、フィールドコイル型とは、振動板を動かすための磁気回路に永久磁石を用いず、フィールドコイルと呼ばれる巻状銅線を採用して、磁気回路自体を電磁石化させる方式のことを言います。



低域用ウーファーとして使うつもりなのですが、バッフルなしの状態でもフルレンジ・ユニットとして聴ける音ですね。

アルミ・ボイスコイルにより高域まで伸びる設計がなされており、印加電圧値次第でフルレンジとして使う方法が充分可能であるコトを予感させてくれます。

それにしても、これぞシアター・サウンドという音味で、良いですね!

手前にあるの方が M-10 で、本来は電源内蔵式なのですが、トランスを外して M-20 同様の外部電源仕様に改造されております。

フィールドコイルDCR は、それぞれ680Ω、750Ωで、ボイスコイルも共に3Ωと揃っており、ステレオ使用も問題なし。

ユニット自体はめっちゃ重く、1本20kg弱あります。



外部フィールド電源は特注して作ってもらいました。

キセノンガスが封入された整流管、3B22 を使ったもので、青く、怪しく点灯しております。(笑)

最初鳴らした時は残留ノイズが余りに多く、難解な表現をすれば、「目の前が真っ暗や。よう見たら停電や」(中田ダイマル・ラケット)の「目の前が真っ暗や」状態に陥ったのですが、電源コンセントにアイソレーション・トランスをかましたらノイズは激減し、ひとまず安心。



本当は、このM-10、M-20 より強力な、ボイスコイルの巻き線が銅線の WE TA-4151 が欲しかったのですが、今では高価になり過ぎて中々手が出せません。

魔が差して買ってしまったら、家人に、寝てる時に濡れタオルを顔に被せられ&首を絞められる可能性があります。(笑)



最後に写真の追加説明をしときます。

奥の19インチ・ラックの一番上にあるのが Victor PST-1000 プリ・アンプ(1966年発売)で、サッチモの顔の横に写ってるコンクリート製エンクロージャー・スピーカーはスウェーデンの RAUNA Tyr です。

共に、池田圭氏ゆかりのオーディオ機器なんですよね。
by yabushun | 2015-04-04 05:46 | AUDIO | Comments(2)
ラジオ その3
2年前の今頃、PC机の横でFM放送聴くための装置の、真空管モノラル・プリメインアンプDavid Bogen HF10から白い煙が出て、出力トランスが昇天したコトを書きました。

その後、このアンプは、「私、失敗するかも知れませんので」と言う、Dr.Yabushunによる外科手術(中古のタンゴ製トランスに換装)を経て、ルックス的問題を若干残しはしましたが、復活しております。

パワー管の6V6は、RAYTHONからRCAのに変えてみました。

スピーカーに使用していたALTEC 405A(5インチ・フルレンジ)も、味のある音で好きだったのですが、やはり小口径のため低域再生に限界があったので、ALTEC 403A(アルニコ)10インチ・フルレンジに変更。

現在、これを後面解放エンクロージャーに入れて使っております。

ちなみに私、スピーカー・エンクロージャーは、基本的に後面解放にする主義なんです。バスレフは、「致しません」なのです。
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まぁ、どうってコトない音でした。(笑)

本当は、ALTECの401Aが欲しかったのです。

そんでもって、安もんの国産ホーン・トゥイーターを追加してみたら、残響音を上手く再生してくれたので、ははーんと思い、クロス周波数、減衰のさせ方、コンデンサー、コイルと、色々試してみました。
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403Aの上に使うには、ちょっと勿体ないと思っていたALTEC 3000Hホーン・トゥイーターを、試しにつないでみたら、俄然、音に実在感が出て来て、これはもう後には戻られへんで、というコトに。

結局クロスのさせ方は、コンデサー・カット(6dB/oct)のみ、フルレンジは出しっぱなし、というシンプルなものに落ち着きました。

高域減衰量は−2dBで、トランス式アッテネーターを使ってます。
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一番効いたのは、トゥイーターのローカットを、Western Electricのオイル・ペーパー・コンデンサーにしたコトです。

とにかく驚きました。音に芯、目方が出て来て、音楽が持っている色気というか、雰囲気が再生されるようになったのです。

たったコレだけで、ココまで変わるものか!と感心しました。
ウェスタン恐るべし。

興味持たれ方は、是非、試してみて下さい。

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これは「管球王国」58号で紹介されていた、トランス2個用いた、モノラル合成の結線図です。

そう。私、モノラルでFM放送聴いているんです。

これも効きましたね。わざわざ別々のトランスのコアで受けてやることにより、混濁感がなくなり、空間描写が非常に自然な感じになりました。
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手持ちのWestern Electric 111Cトランスでやってみると、インピーダンス・マッチング的に問題はある筈なのですが、おっ、コレは!というパースペクティブが眼前に・・・

真偽のほどは、追実験して確認して下さいね。(笑)



以上、北風ぴゅーぴゅー吹くこの寒い季節、部屋に閉じこもって、如何に金使わんと遊ぶか、というお話でした。(笑)
by yabushun | 2014-12-18 02:09 | AUDIO | Comments(2)
加藤式モノーラル・ホーン・システム
オーディオ巨匠シリーズ。(笑)

これも、雑誌で初めて見て、度肝を抜かれた装置です。

生涯モノーラル再生を通された、加藤秀夫先生のオール・ホーン・システム。
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画像は「別冊FM fan」誌の切抜きだったような記憶があるのですが、間違っていたらご免なさい。

説明文では、

『低音ホーンの開口が目立つスピーカーは、ホーン形3ウェイの構成で・・』(引用)

と書かれていましたが、
巨大な低音木製ホーン、中音用木製マルチセルラホーン、中高音用木製マルチセルラホーン、そして鼓膜より薄い4ミクロンの振動板を持つ「マッシュルーム・ベル(MUSHROOM BELL)」と呼ばれた高音用トゥイーターからなる、4Way か5Way 構成に見えます。

それぞれの帯域を受け持つユニットが分散された、独特なレイアウトですね。

曲線になった木製の壁(バッフル)が、ルーム・アコースティック調整を兼ねた、イコライザーのような役目を果たしているのでしょうか?



驚くべきことは、カートリッジからドライバーに至るまで、全て加藤氏による設計、自作という、途方も無いシステムであるということです。



再び説明文からです。

『低音ドライバーにはMFB方式が採用されている。VCの延長上に検出コイルを設け、そこに派生した電圧をアンプ前段に戻し、コーンの動きを制御するもので、以前「ラジオ技術」誌に発表し、長年研究されているテーマの一つである』(引用)

「MFB方式」とは、「モーショナル・フィード・バック」の略で、スピーカー・コーンの振動速度を検出し、アンプ入力と比較し、コーンの動きを制御するスピーカー・サーボシステムのことです。

MFB制御に関しては、その後、高橋和正氏も「ラジオ技術」誌で色々書かれているのは存じてはいるのですが、私には、当然、手に負えないものでありました。(笑)

然う然う、SONY が一度、SA-S1 というモデルで、ウーファー部にMFB方式を採用したものを商品化(1995年頃)したことがあるんですよね。
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素晴らしいデザイン処理がなされたプレーヤー。

加藤式3点支持、マグネフロート、糸ドライヴ、なのだと思います。

画像では見えづらいですが、ターンテーブルを横断するように、加藤式糸アームリフターが張られています。

カートリッジは、超軽針圧(0.3g ぐらい?)の、MCタイプなのでしょう。

全くスクラッチ・ノイズがない再生音、と聞きました。
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『人間が悲しい時、うれしい時に聴きたいのが音楽のはずだ。その再生には音楽信号に何物も加えず、何物もとり去らずが私の持論』

と、40年以上の歳月をかけてレコード再生の限界に挑戦されつづけた、加藤秀夫先生のモノーラル再生システム。

一体どんな音がしたのでしょうね。
by yabushun | 2014-10-09 12:08 | AUDIO | Comments(7)
22-A ホーンの設置法
今回は、Western Electoric(以下「WE」と略します) 22-A ホーンのセッティングという、ごくごく一部のオーディオ・オタク用ネタなんで、興味ない方は読み飛ばして下さい。



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Western Electoric 22-A
ステージ用メタル製カーヴドホーン、555レシーヴァー用。
カヴァレッジ・アングルは、水平20度、垂直40度。
外形寸法は、全幅28インチ(71.1cm)、全高35インチ(88.9cm)、奥行27インチ(68.6cm)、重量40ポンド(18.12kg)。



かつて「Stereo Sound 」誌内で連載されていた「ザ・スーパーマニア」。

その記念すべき第1回目(1979年秋号 No.52)に登場したのは、郡山のワイドレンジクラブでした。

そして、「ザ・スーパーマニア」第2回目(1980年冬号 No.53)に登場したのが、(株)カンノ製作所社長の菅野省三氏だったんですね。
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カンノ製作所 菅野社長の装置


上段外側が、WE 555を2個装着したダブル・スロートのWE 12-AホーンとWE 597トゥイーター。

上段内側が、カンノ製22-Aホーンで(トゥイーターはカンノ製597?)、下段左右にあるのが、YL D1250を装着した6.5mの低域用コンクート・ホーン。

床に転がっているのは、WE 594ドライバーとWE 24-Aホーンに、WE TA-4181-A 46cmウーファー。

タバコを置くとか(笑)、人が立つとかしないと、22-Aホーンが可愛く見えますね。


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カンノ製作所 N氏の装置


「無線と実験」誌の「Hi Fi追求リスニングルームの夢 No.389」(1997年8月号)では、同じカンノ製作所の、N氏の装置が紹介されておりました。

カンノ製597トゥイーター、WE KS-6368ホーンにWE 555、WE 22-AホーンにWE 555、WE TA-4181-AウーファーにWE TA-7395タイプのショートホーン・バッフル、という4Way構成。

22-Aホーンがカンノ製でなかったのが、軽く衝撃でした。(笑)



で、ここから今回のテーマ、22-Aホーンのセッティングに関するお話に突入です。
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上の画像は、「Stereo Sound 」誌内の連載「スーパーマニア」No.25(1985年秋号 No.76)で紹介されていた、農学博士K氏の装置です。

室内の調度品、趣味が良いですね。

センターは3Dウーファーで、エルタスKS12004ウーファーが取り付けられた、2.5mのコクリート・ホーン。

左右にWE 555を装着したWE 22-Aホーン、WE 597トゥイーターという構成ですが、22-Aホーンの向きに注目して下さい。

最初にご紹介した2つの画像とは違い、90度向きが変えられています。



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これは22-Aホーンを使用した、WEのワイドレンジ・システム「#6 TYPE SYSTEM」の資料 (1936年)で、TA-4151等のウーファーを装着するTA-7331-A バッフルが組み合わされています。
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TA-7331-A バッフル内部


TA-7331-A バッフルの形状が物凄く変わっていますし、ホーンとバッフルの間に設けられた「サウンドテックス」と呼ばれるドレープの存在が、実に悩ましいのですが・・・(笑)

この資料でも、22-Aホーンが90度横に寝かせて吊られているのが、確認出来ると思います。

こういう画像を見ると、位相合わせに関しても気になって来ると思われますが、それはまた別の話。王様のレストラン。(笑)


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上の2つの図は、「無線と実験」誌で、池田圭先生が連載されていた「音のレプリカ」No.22 ホーンの舳先物語(1) (1988年12月号)からの転載です。

22-Aホーンの設置の仕方による、指向特性の変化とカヴァー・エリアの関係を表しています。

『ところで僕自身も実行していないが(その事情はいずれお話しする)、人様には是非この横倒式の配置をおすすめしているが、実景は殆ど見かけたことがない』

と書かれていましたが・・・先生!22-Aホーンを吊り下げてる私の場合、横倒しにするのは、鉄製アングルを作り直す必要があり、そない簡単な話やないんです!(苦笑)


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これも「無線と実験」誌からの転載で、多分、同誌が初めて「Western Electoric特集」をやった時(1982年7月号)に出てました。

垂直面の指向性の良い方を水平に置くセッティング方法を、WE社が示しているものです。



以上、22-Aホーンを3次元的な思考で設置しませんか?というお話だったんですが・・・殆どの方には、何〜の興味もない話でしたよね?(笑)
by yabushun | 2014-10-03 03:23 | AUDIO | Comments(7)
Grundig
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グルンディッヒの8.5インチ(22cm)フルレンジを入手。

ドイツ製のスピーカーで、多分、1950年代に生産された個体だと思います。

元々はラジオに組み込まれていたものなのですが、近年、オーディオ・マニアの方々により再発見されて、ごく狭い世界でですが(笑)、何かと話題に上るユニットで、気になっておりました。

入手したグルンディッヒは、三つ葉型フェノリック・ダンパー、Magnetfabrik Bonn 社製NT3アルニコマグネット、DCR は5.1Ωという仕様。
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三つ葉型フェノリック・ダンパー


この時代、Siemens 以外のドイツのほとんどのスピーカー会社は、マグネットを外部製造会社から買っていましたので、他社のスピーカーでも、同じBonn 社製マグネットを使ったものがあったりします。

本当は、NT4という、もっと大きなマグネットを背負ったユニットが欲しかったのですが、そう簡単に入手も出来ないし、いつか巡り会える時が来るのを期待して、今回はこれでドイツ古典フルレンジを初体験することに。

同時代の、Siemens やTelefunken とは、また違うテイストの音と言われているのですが、軽量コーン、フィックスド・エッジと相俟って、出てくる音は軽やかで、スピード感もあり、切れがあり、おおっ、これがドイツ古典フルレンジの音なのか!と、素人ながら納得。

ただ、簡単にはマトモに鳴ってくれなかったので、あれやこれやの工夫はしました。

こういう時の私の、集中力、行動力は、自分で言うのも何ですが、鬼気迫るものがあります。(笑)

取りあえず、当初からの計画通り、サンスイSP-50スピーカーのエンクロージャーを流用し、最初は後面開放で鳴らし始めましたが、中高域のピーキーさが目立ち、泣きそうになりました。(笑)

また、再生周波数帯域を広げる為、コーン紙が深く絞りのあるものが採用されているようなのですが、この深絞りコーンの奥まった位置から発せられる高音が、ビーム攻撃して来る感じで、ううっ!となりました。(笑)

この筒臭さを緩和する為、フェーズプラグを販売しているオーディオ・ショップもあるようです。

上手く鳴らすには、それなりにスキルが必要なようですね。

いずれにしましても、60年以上昔の小さなスピーカーですが、未だに使用に耐える素材、構造、緻密な製造技術、そして音楽再生能力に、ちょっと感動致しました。



グルンディッヒは、本来、クラシック音楽に向いていて、特に弦の再生が良いらしいのですが、女性ヴォーカルの良さも、なかなかのものです。
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そう言う訳で、私がオーディオ装置のチェックの時に必ずかける、リー・ワイリー。

1951年録音の超名盤です。


Lee Wiley「Manhattan」


オクラホマ出身のリー・ワイリーは、スウィング時代の1930年代からに活躍していた、白人女性ジャズ・シンガー。 

白人と申しましても、チェロキー・インディアンの血が流れている方です。

憂いを帯びた声、押さえた歌唱法、巧みなアドリブ。

う〜ん、分別盛りのオヤジも、イチコロですわ。

不遜な言い方になりますが、自分が旦那で、芸妓とお座敷遊びしているような、錯覚が出来ます。(笑)
by yabushun | 2014-09-30 04:17 | AUDIO | Comments(0)
自作ネットワーク
昔々、とあるVespa専門店を訪れた際(かつて私は、Vespaにも凝っていた)、店の軒先で、水冷エンジンが組まれたVespaを発見した時のことです。

パッと見は、スクラップにしか見えないような、かわいそうな状態で置かれていたのですが、巨大なチャンバー・マフラー、風防に取り付けられたラジエーター、ニーホールドの為のダミータンク、補強ボディー・バー等々、あらゆる所に手が加えられたバリバリのレーサー仕様だったのです。

こういう逸脱したものを見ると、どうしても興奮してしまう私が、好奇心ギンギン状態で質問すると、店主は、

「何度やっても水漏れするんだ。もう二度と手を染めないよう、戒めに置いてるの。」

と、茶目っ気タップリに答えてくれたのでした。(笑)

私は学びました。

追求するものがある時、家族には、「もう二度としません」という擬死ポーズを見せる必要もあることを。(笑)



話はここから本題です。

私が住んでる家の居間には、オーディオ装置があるのですが、スピーカーの後ろは、いくつもの電源用変圧トランスや、励磁電源など、色々なものが散在しています。

また、何の為に、いつ作ったのかも忘れた(笑)、スピーカー用ネットワークなんかも転がっていたりして、まるで悪の巣窟のようで(笑)、自分でも余り立ち入らないようにしています。

しかし、先日、カラスが二羽、電線で感電死して、近隣一帯が停電になった時がありまして、装置チェックの為、久々にスピーカーの後ろに行くことに。
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まず、こんなもんが出て来ました。(笑)

以前、ALTEC A5と、それをダブル・ウーファー化した装置で聴いていた時があるのですが、その時に自作したスピーカー・ネットワークです。

基本的にはALTEC の純正ネットワークのままで、回路もオリジナルの、クロス500Hz、12dB/oct を踏襲、コイル部のみ交換したものです。

色々やってみましたが、やはりウーファーのインピーダンス補正は外さない方が宜しかったです。

ちなみに、ALTEC のネットワークはJBLのそれとは違い、理論通りの数値で作られています。

高域ホーン部には、鉄芯コイルを使うのは抵抗があり、デカい銅箔空芯を使いました。

鉄芯じゃないと本当の音は出ないという意見もありますが、それはレベル的に高次元な別の世界での話です。

低域は、さすがに、えげつない長さになる空芯コイルを使うのは、心理的直流抵抗もあり(笑)、カットコア・コイルを使いました。

「純正のネットワークに手を加えるなんて邪道だ」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、高感度なスピーカーだと反応も素直で、音の変化の傾向を的確に把握出来て、とても良い体験になりましたよ。
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コンデンサーを交換する為、大量のSprague製オイルコンを入手した所で、作業が中断した痕跡も。

多分、見た目が発電所みたいなネットワーク、作りたかったんでしょうね。(笑)
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これは、上の自作ネットワークを組む前の、ALTEC の純正ネットワークを時間かけてバラして、取りあえず組んだ時の画像です。

この時、L、C、Rの数値も測定しました。

右側の大きなトランスは、ダブル・ウーファー用に入れていたALTEC のマッチング・トランス15067で、つまり左側2個のショボいのが、元々の鉄心コイル。



ところで、ALTEC のフロントロードホーン・エンクロージャーの魅力に関してですが、まずその一つは、低域と高域の位相合わせが容易に出来ることではないでしょうか。

専用の高域用ホーン・スタンドには、ホーン別にステーの取付穴も指定されていて、それこそ誰でも簡単に、一定水準の音で鳴らすことが出来るように設計されていました。

ただ、あくまで劇場用なので、そのまま部屋に入れても、なかなか上手く鳴ってくれないこともあり、例えばマルチセルラ・ホーンを使っているにもかかわらず、2mの至近距離で聴いていて(笑)、駄目だこりゃとか言っているのは、丸出だめ夫でしょう?
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ALTEC 1505B マルチセルラ・ホーン


また、純正ネットワークは最大4dBアッテネートしか出来ず、強力な288ドライバーとは、ハイ上がりなバランスでしかつながりません。

某W.S.I.のDさんは、515Bウーファー1発の場合、ドライバー側で−5〜6dB、2発の場合、−7〜8dB、と仰っていましたが、私の場合、2発で−8.5dBでしたね。

勿論、鼻毛が塞がって息が出来ない程の音圧の音量で聴く場合は、話が別なんですが。

そんな風に部屋で聴いている人、おらんだ左近事件帖でしょ?(ちょっと難解かな?笑)

私自身、まず、外付けのトランス式アッテネーターを使用すること前提に、純正ネットワークをバラしたんだと思います。



現在もALTEC 828エンクロージャーを、Magnavoxの励磁型入れて使っているのですが、実は、828用のウイング・バッフルも所有していて、スピーカーの後ろに隠してるんですよ。(笑)

いつ付けるか、タイミング見計らっているのですが・・・

部屋だけでなく、家族関係も暗くなる可能性がありますもんでね。(笑)

by yabushun | 2014-09-02 06:44 | AUDIO | Comments(0)
ラジオ その2
FM COCOLOを聴くため、小さいスピーカーに繋いで使っていた真空管モノラル・プリメインアンプ、David Bogen HF10の出力トランスから、白い煙が出て来ました!

故障です。(泣)

血圧の高い禿オヤジを、ワザと怒らせた時、頭から湯気を出すでしょ?

そんな感じでした。(笑)



こういう古い装置を好んで使っていると色々ありまして、私は経験ありませんが、アンプ電源部に使っていた大型オイルコンデンサーが破裂して、絶縁油として使用されていた有害物質、PCBが頭にふりかかって、錯乱状態に陥るオーディオ・マニアもいらっしゃるようです。

このように、生命の危険がともなうにも拘らず(笑)、真空管アンプで聴くコトは、止められません。

ちゃちいアンプでも、インターネットでradikoに繋いで出てくる音と、全然違うのですよ。
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煙を出して故障したアンプの内部です。

オレンジ色のコンデンサーが、3個ありますね。

これは、アメリカのスプラグ社(Sprague)による製造で、オレンジドロップ(Orange Drop)という名が付けられたものです。

元々付いていたコンデンサーではなく、後から交換しております。

スプラグ社には他にも、製造時期は違いますが、バンブルビー(Bumble Bee)、ブラックビューティー(Black Beauty)、ビタミンQ(Vitamin Q)という、音の良いことで有名なコンデンサーがあります。

どれもこれも、ネーミング・センスが素晴らしいと思いませんか?



おっと、もうすぐ今年も終わってしまうではありませんか!

年賀状、まだ出来てません。(汗)

まぁ〜、そんなコトで、唐突ですが、
皆さん、どうぞ良い年をお迎え下さい。(笑)
by yabushun | 2012-12-31 20:03 | AUDIO | Comments(2)